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みどりのクローバーの人





わたしの千歳巡り。


第2章へ続きます。


宿泊した水の謌は
ほんとにモダンな空間でした。


中庭はなんのコンペかと思うほど
青々した芝生に
満開の八重桜が散り
紅葉した枝と新緑が隣り合って
美しいカオスを展開。


ドライブの道すがら
菜の花畑もまっ盛りで。


まさか桜に逢えるとは!

もう一度来た春を堪能。


水の謌さんのメインフロア、
大きな暖炉が迎えてくれます。

丸窓に積まれた薪が
重厚なインテリアに
一役買っています。



日中は初夏の陽気でも
さすが北国。

ひんやりする夜には
パチパチ炎に
マシュマロかざして楽しみました。



島田先生とお嬢さんが
肩を寄せて
マシュマロくべてる姿。
絵画のようでした。


冬に訪れても格別でしょうね。


石使いの壁に影が揺れ
柱や床の色や素材あわせが
とっても落ち着くのでした。


お部屋の露天風呂からは
たおやかな湯気と
濃厚な闇と無数の星。


母と二人の時間に感謝です。



わたしは千歳前夜、
体調崩して深夜2時まで
かなりなグロッキー風情でしたが

不思議と向こうについたら
胃痛が遠のきまして。



朝食ブッフェが素晴らしすぎて
なんと
ごはんを3杯もおかわりするという
年甲斐もないパフォーマンスを(笑)


やかましやの妹が説く
ブッフェの掟。


ーまず全体を把握すること。



その教えをすっかり忘れ
気の向くままに盛りつけたあと
見落としゾーンを
2ヶ所も発見!

( ̄O ̄)こここんなものが。



おらぁ土地のものだよ…


いくらや鮭が
さんざん手招きしています。


小さいストーブで各テーブルに
炊きたてごはんがサーブされ

海苔一枚が語りだす!

お漬け物が
愛しいったらありゃしない!


そこへ来てサラダまわりの
プチトマトとオリーブの
かつてないフレッシュネスぶり。




もう。

立ち上がれないかもしれない。



ほれ見たことか………
まず一周しろと…………
計画的に…
計画的に…
計画的に………



妹の声が夢の中のお告げのように
満腹中枢に反響するのでした。


はっ。

こんな欲深いくだりに
時間をかけすぎました。


翌朝、
お庭に広がる白つめくさに
声をかけながら
例のごとく四つ葉探しをしていた私。


四つ葉さーん
四つ葉さんいませんか?


ところがなかなか目が合わず。



千歳の四つ葉さんはいますかー?
千歳の四つ葉さんはどこですかー?

名指しで顔を寄せていると


「四つ葉のクローバーですか?」


後ろから声をかけられ
飛び上がるほどびっくり!!


送迎車の運転手さんのようです。


(ききききかれた!)


怪しさをかきけすように

「でも今日はなかなか。おほほほほ」
とワラゴマ(昭和用語)する私に

にこにこ笑顔で
しばらく四つ葉探しに
つきあってくれたのでした。


結局見つからないまま
おいとましたのですが

チェックアウトのあと
駐車場で

どうぞ、と手渡されたのは
紙に挟まれた四つ葉!



「ありましたよ」



声がひっくり返るほど
感激の贈り物でした!


これこそが
まごころのプロフェッショナル…



人からいただく四つ葉。
ひさしぶりでした。


ほんとうにありがとうございました!



語感は悪いですが
タイトルは
紫の薔薇の人になぞらえて(笑)


「探し物はこちらですか?
おちびちゃん」


こんな真澄調の台詞が
浮かんでは消えて行くのでした。

(消えてよし)



わたしの千歳ブログ第2章
このへんで。。。


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千歳の5つのお祝いに




ご無沙汰してすみません。


6月に入りました!

今年を半分
折り返そうとしているだなんて。

はやい(○_○)!!



三鷹のイベントが終わり
ばたばたっと
千歳までお出かけしてきました。



マミーズクリニックちとせさん。

北海道は千歳市にあります。

そちらのロゴマークや
グッズづくり
お部屋づくりの
お手伝いをさせていただいています。


今回5周年のイベントで
支笏湖での講演、親睦会が。

母と二人、
ご招待を受けて向かったのです。 


院長先生のお母様が
バニラチェア札幌店で
赤ちゃんだったお嬢さんに
子供服を贈っていただいたのが
そもそものご縁。


絵本のような
雑貨店のような

不安なきもちが
ほんのすこしでも
あたたかく息つけるような

おかあさんがくつろいで
赤ちゃんを待てるような

おだやかな空気感の
お部屋づくりをつとめました。

    

講演は院長島田先生と
誕生学を説いてらっしゃる
大葉ナナコさん。
そして千歳市長に続き
わたしもほんのすこしだけ
ご挨拶の時間があるので
それが終わるまでは
まんじりともできず(笑)


この5周年のお祝いに一枚
大きな絵を描きました。

それについても一言、
とあって
更に緊張は底上げされました(゜_゜;)


白樺そよぐ五月の空のした
9時にはもう千歳空港でした。


水の謌という
落ち着いたしつらいの
ハイセンスホテルが会場。



まだよちよちの赤ちゃんで
いっぱいのお部屋に入るなり

わたしはたちどころに
胸がいっぱいになってしまいました。


その手付かずの生命力の清さ、

これからという時間を
何十年ぶんも蓄えた力強さ、

迎えられ、つなげられた、
いちばん新しいバトンに
込められてる願い、
みたいなものが。

押し寄せてきて。


いろいろ揉んできた言葉が
みんな消えてしまいました。


つっかえながらの
ぐだぐだのわたしの挨拶以外は
ほんとうにすばらしい講演でした。


そこで生まれた1409人の
子供たちのうちの
100人ほどが集まって。


マミーズクリニックの
OG?ママさんたちによる
サークルもあるそうです。


命を導く現場で
お母さんたちが感じた信頼が
どんなに深いものか

そのあとも
あたたかく根付いている意味が

会に参加してよくわかりました。



それぞれの赤ちゃんとおかあさんの
自然なリズムを大切に汲み取って
計画出産などは勧められないという
島田先生の考える
出産の在り方。


ひとりとして同じ人はいないように
生まれてくる瞬間から
その子の個性なのだと


いのちの重さはみんな等しくて

けれどみんな違うからこそ
すばらしいと。



わたしも
絵本のなかに
そのひとつひとつの種を
拾い上げるような表現が
できたらいいなあと思います。



わたしの描いた絵は
いのちの木
というタイトルにしました。


花も実も一本の木の上に
重ねて重ねて
サンドイッチみたいな
しましまになりました。


赤ちゃんと最初に迎える季節に
想いを重ねてもらえたらなぁと。

木の持つ四季は
すべて美しいですね。



透明な透明な支笏湖。

夜は11月みたいな
透き通った森の匂いでした。


すてきなホテルについてはまた。


伝えたいことが多すぎて
ブログなかなか書きあがらずでした。
すみません。


千歳便り第一。投稿。

四つ葉ハンターはじめました




もう東京のさくらは
あらかた散ってしまいました。


道のくぼみに吹き寄せた
さくら色のじゅうたんに
今度はたんぽぽが咲いています。


あかるく引き継がれた
春のバトン。



淡い雲や
ほんのりのひなた。

そんなほわやかな季節は
だんだんと陽射しのもとに
その輪郭を強めていって

ぐんとまぶしい緑色が
もうすぐそこです。



わたしも新たな活動期に(笑)


今年も
四つ葉ハンターはじめました。



野原の入り口で
あっという間に見つけた
4本の四つ葉。


四つ葉さーん
いますかー?


声をかけると
たいてい見つかります。
ほんとに。


去年は300本ほど見つけた
空前の大ヒット?
あたり年でしたので

やや有難みの薄い
コレクションになってましたが


でも野原で
摘みたてをせっせと本にはさんで
押し葉にするのは
たのしい作業です。


ただただ無心。


腰を折って
まなざしをおとして
じいっと心を集めていると

考え事やためいきからも
気付くと離れているのです。



からっぽのほうが
四つ葉に近くなれるのかな。



特技みたいに
四つ葉と巡りあうので

額装して展示会など
なんらかの記録にしてみたい。。。



今年の四つ葉
また時々画像で
おすそわけしますね。

半袖・五分袖・七分袖のファルセット



なんて
なんて
なんて

きもちよい日でしょう。


(*´ー`*)


天気予報がうたったとおり
22度。


朝からあたためられた
ふっくら春の粒子で
ひなたもひかげも
おひさまのにおいです。


コートもカーディガンも脱ぎ捨てて、

五分袖でバニラへゴー♪


ついにこの季節。


早く七分袖が着たいなあ

と福寿草の思いで待ちわびていましたが


一気に五分袖で
ノープロブレムな陽気です。


見上げる桜のつぼみに

待ってるよー!

と声かけてまわるほどに

春先の人と化しております。



今朝、健康診断を受けてきたのですが

鼻歌気分の五分袖から、
採血のばんそうこうが
両腕から覗いていました(笑)


(もう血は止まってるとわかってるけど
怖くてはがせない…)



春の風が注射を耐えた自分を
慰めてくれているのでしょうか。

(別に、と云われそう)



春を感じたくて、
ヒヤシンスばかり買っています。

白い花のいいかおり、
春を通り越して
初夏の風情を感じるほどです。


明日は、バニラチェアー、
臨時に5時閉店となります。

ヒカリエ出店に向けて、
準備も押してきています。


でも、おひさまのあるうちは
お外でこのお恵みいっぱいハグしたい気分。


春だねえぇ、と、
鳩にねこに木々に雲に、
投げかけている午後3時( ´∀`)


薄々後援会


この週末の耳よりなお話を。


今日から三日間、
高円寺店では、
定番人気のインナー薄々シリーズが
なんと20%オフヽ(*´▽)ノ♪です!


通年とおして扱っているアイテムですが、
この根強い人気には訳がある!


まず着心地のやわらかさ!
綿100%の薄いガーゼ地は、
肌あたりもやさしく、ストレスフリーです。


年々、
やっぱり着ていて気持ちよいものに、どうしても手が延びてしまうなあ
と実感していて、

私自身もこれを着てない時間は、
ほとんどないのでは…
と1週間を振り返り考えてみました。


寝るときもパジャマの下に一枚着ているので(笑)


色違い、丈違い…

このシリーズだけの引き出しがふたつあるほどです
(`ー´ゞ-☆


ただいま、タンクトップ、
五分袖、七分袖、長袖、
タートル…と形も色も豊富!


薄手にも程があるほどの薄さは、
重ね着してもしてもごろつかず、
真夏にもお召し頂けるような、軽さです。


薄いインナーではなく、
薄々、なのです。


夏場の冷房対策、
日焼け防止に、
今、タートルを買われるファンの方もいらっしゃいます。


冬にはウールのチクチク防止にもなるので、
一年中、しまう時無しですよ~


更に言うと、
お洗濯の乾きも早い!


旅行先のホテルでちゃんと乾いてくれるし、
コンパクトだし、で、
旅のお供にも是非♪


着丈もかなり長めで、くしゅりとすそを見せてもよいし、
ボトムにインすれば、背中が見えたりしないので安心!


色も柄もバリエーション多数
4095円とお手ごろです。
タンクトップは3045円です。


店頭で三日間のみのセールです!
どうぞおはやめに~(⌒‐⌒)

あの日から


3月11日、あの震災の日から一年が経ちました。


立川に向かう途中、
先ほど、黙祷を捧げました。


なにも知らないかのような、
全部わかってるような、
晴れた空。


ずいぶん暖かな日曜日です。

春を予感させる景色に、
少しだけ、今日を迎える人々のきもちが、
あたたまってくれますようにと
祈っています。





ゲリラペインティング!





原優子さん個展スタートで
あわただしく過ぎた週末。


初日からずっと
原さんも一緒で、バタバタながらも和やかでした(*^_^*)


昨日の夜は、
原さんやスタッフ皆で、カラオケへ♪


チェッカーズで圧倒的に盛り上がり
嵐の歌がちんぷんかんぷんの昭和気質の私…


老体にムチ打っての
ももいろクロバーを二曲歌ったら
酸欠になるかと思いました(@_@;)

一人であの人数をこなすのはしんどい。



原さんの個展写真と平行して
カレンダーの撮影も進んでいます♪


高円寺の原さん個展には、
間に合うように仕上げたいです!


さてさて。


原さんぬいぐるみ展と
カレンダー撮りと

今回の欲張りスケジュールの一つでもあった
看板作業。


夕方6時を回ってから、

あと数時間でいけるかな?

いけると見た!


そんな見切り発車で、
シャッターに絵を描きはじめました。


いつもそうですが
もちろんの一発描きです。


シャッターの凹凸が、予想通り、
描きづらいφ(.. ;)


写真上から、
時間を追って、木が完成してゆくさまです。


アバウトによりをかけて
ガツガツ枝葉を書き足していきました。


一番遅いバスが取れたので、
時計と塩梅を相談しながら

三時間くらいで、
なんとか形になりました!


月曜火曜はおやすみなので、
シャッターがおりています…

機会ございましたら、
どうぞ、お庭側よりご覧くださいね(^-^)



今、無事に帰りのバスに乗りましたが

初めて乗ったJRバスは
座席が指定できるシステムでした(^O^)


わたくし。
二階建ての二階の先頭をゲット☆


スタッフの吉さんから
「顔がだいぶ笑ってますよ」
とつっこまれる程、楽しみでした^ロ^;


流れる夜景
浴びたい放題!


しかも乗ったらガラガラ、
人目もない状態で、

もはや、席からかなり前のめって
ジェットコースターばりに手すりにつかまって、

絶賛観覧中(´∀`)



本格的に顔が笑ってます。


ご褒美みたいな帰り道、
寝るのが惜しい夜なのでした~
(今日のわんこ風に)

こどもの森





週末、一年ぶりに千歳に行ってきました。


マミーズクリニックちとせさんの待合室に
お子さんが遊べる、キッズスペースを設けることになり、
そのコーディネートです。


ご覧ください~☆


わわわ~~~(*´∇`)
かわいいことになりました!


インドアにして森の中みたい!


リバティの旗を渡して
原優子さんのぬいぐるみを飾り…



壁面の大きな木はオランダの壁紙。

ヴィンテージのさまざまな古い柄を
葉っぱの型に抜いてあります。


子供部屋に貼ると
見ているだけで物語が広がるよう。


大人のインテリアでも
これは本当に有効だなあ、と思いました。


クリニックの院長先生と奥様と
ペタペタ、バランスを見ながら、
一枚ずつ貼りました(^-^)

文化祭の乗りです(笑)

こういう作業も
お子さんと一緒にすると、
きっと忘れられない思い出になりそうです。


また、足元のみずみずしいグリーンのラグが
本当に芝生かのような美しさです。


しろつめくさが点在する模様も楽しく、
野原を切り取ったみたい。


リサイクルコットンを使っているので、
緑と言っても、
深み厚みのある、たくさんのグリーン系の糸で形成され、

また手触りが気持ちよいのです。

裸足でごろんと横になって
森林浴の気分を味わえそう…


それから、
子供のうちから本物を、
のコンセプトで作られている
20年は使えるというソファー。


北欧スタイルのすっきりした形が
普通にリビングに馴染んでくれそう。



色々なメーカーさんの色々な家具やおもちゃを探していましたが、
キッズキッチンも、ペイントしていない白木素材で統一しました。



大きくなった時も、
インテリアのアクセントでそのまま使えそうなもの…
と思いながら集めました。


大人の自分も欲しくなるものばかりです。


ラグやおままごとキッチンは、
バニラチェアでもお取り扱いを始める予定です!


高円寺は小さすぎて、
家具の提案どころではありませんが、

とりあえず、夙川で、ソファーも現物がご覧いただけますよ。


入荷したら、またお知らせします♪


テーブルと椅子は
抜き型をオーダーで入れていただきました(*^_^*)


秋にこの作家さんの木のバックの展示会も企画中。



千歳、札幌、

バニラやチョロンの友人にも会ってきましたが、
やっぱり、すきな街です。


涼みに行くつもりが、
30度越えていて、
北の地もばっちり暑かったです(;^_^A


マミーズクリニックさんのキッズルームは
一般には公開されていませんが、
千歳に近い妊婦さんはぜひご来院下さいね。


こども達が帰りたくなくなるような
楽しいスペースになりますように…(^_^)

それこそゆうまぐれ




作業に没頭していて
振り返ったら

わ…………
なんという色。


たっぷりした暮景に
引き寄せられ

ペンキ缶片手に
橋まで来てしまいました。


タイトルさしかえたいほどでした。

ゆうまぐれとは
まさにこのこと。


細い川の続く向こうの
静かな稜線に斑雲。

茜に滲む
ほのあたたかい藤色。


こんな広い夕暮れを拝んだのは久しぶりかも。


次第に青に傾いてきました。


この一瞬が描きたくて
作ったのが
ぶらんこ、という絵本です。


5分とない間の
刻々と移りゆく色。


深呼吸。深呼吸。



影絵が深まり、
そっと夜がはじまりそうです。

片寄せ海岸に寄せて

久しぶりの更新です。


今、関西へ向かう新幹線の中です。


今日の東京はとてもあたたかでした。


お昼に、
薬研堀の若い柳が、
風にもつれて反射しているのを見て、
新しい季節が押し上げてくる、
生命力みたいなものを感じました。


なかなか、
ブログに書く言葉も見つからず、
長らくすみませんでした…


ゆうべ、震災後、はじめて湯船に浸かりました。


幸せが申し訳なく感じます。



高円寺はしばらく、
六時までの営業となりますが、

お店でお会いするお客様が、

「ほっとしたいから来ました」と
言ってくださるお声を聞き、

お水やお米を扱うでもないうちのような店でも、

お迎えする意味があるのかなあ、と
弱った気持ちが少し、息を吹き返したような気がしています。



私は新宿のすぐ横にある
初台という街で育ちましたが、
引っ越して二十年経っても、
引っ越しの日に、街を見下ろせる屋上を訪れています。


今年もこの前、
公園や通学路をうねうねたどって、
思い出の答えあわせ、みたいな散歩をしてきました。


様変わりした店もあれば
いまだ面影をとどめた風景にも出会えます。


私の知っている街。
私を知っていた街。



震災と津波で
ふるさとを奪われた人々の想いは、
はかり知れません。


愛した眺めがあのように失われ、
それでもここを離れたくない、
とお話される方がたくさんいて

ご家族の手がかりと奇跡を願っているニュースを見ると

本当に言葉を失ってしまいます。



大学生の時に、
一人で岩手を1週間旅したことがあります。


夜行列車で、
凍えるような霧の朝
盛岡駅に着いてすぐ、

ロータリーで出会ったご婦人に声をかけられ、

娘と年が近いから、心配だから毎日連絡して、

と電話番号を交わしました。



その夜から
民宿をかわるたび
本当に毎晩電話をして、

すっかり親戚みたいに打ち解けたのです。


後半、遠野市に着いた時には
おじいちゃまとお車で来て下さって、
色々案内して頂いて。

(初対面ですよ、本当に)


最終日はご自宅へも招かれたりで
もはや一人旅ではなくなっていました。


あちらで出会えた皆さんは
本当に親切な方ばかりでした。



海外の新聞で、
この窮状での日本人の生真面目さ、
礼儀正しさ、
忍耐強さ、冷静さ、が評価されていますが、

私の旅先の記憶も
そこにあたたかさが加えられています。


人と関わり合う濃度や温度に
頭が下がる想いでした。


日記と手紙を書くための
学生時代ならではの
やや感傷的な旅でしたが、

私のお目当ては宮沢賢児記念館に並んで、

田老町、大槌町にほど近い
浪板海岸。

通称、片寄せ海岸という浜に行ってみたかったのでした。


波が寄せるだけ。


返していかない、ので片寄せ。


とても珍しい現象だそうです。


寄せるだけ、なんてことがあるだろうか。


寄せ続けるという、
一方的な波が存在するのだろうか。


バスでたどりついた田老の町は
本当に静かで、
古い写真みたいでした。



誰もいない。

誰もいない、白い岩場に出て、波を追うと、


本当に、
こちらへ寄せて、
消えて、
次が寄せるだけでした。


不思議過ぎて
二時間位、
海を見ていました。


波は寄せ続けました。



こんなに与えるだけの波があるのだから、
答えや返事がいらない、という形もあって、

無償という想いだって
この世にはあって然るべきなのだろうなあ、

と、若い私は、そう思ったのでした。


ぬるい陽が、
書き物をする私の髪やペンに影を落として、

誰の気配もしない
静かな午後でした。


生涯学習の町、田老
と看板の立つのどかなバス通り。


住んでいたこともない、
そのただ一度、
訪れただけですが
私が知る二十年前の海辺の街。

あの日だまりの静けさとあまりにかけ離れた、
津波の映像の恐ろしさ。


宮古で船に乗り、
かもめにパンを投げた、明るい港の風景。


美しい浄土が浜の
空と海を分かつ白波。


日の出を見に行った
明け方の船着き場の漁師さん達。


どうしても信じられず、
悲しいです。


それでも
ひとつきも空けず
思い出として語れるような距離感に私はいる。


遠くから偲ぶばかりの申し訳なさでいっぱいになります。



長い時間がかかっても
あの優しい海辺の街の皆さんが
もう一度ふるさとを築いていけるように
大切にしたい思い出がまたちゃんとはじめられるように

心からお祈りしています。


今年の春は北から始まってほしいくらい。

梅や桜にほころぶような
穏やかな一息が、
本当に少しでも、
どうぞ訪れてくれますように。



私は明日から西宮阪急で、
コラージュ教室と出店催事。

西の夜景を明るく感じそうです。

Extra

PROFILE

vanilla chair まえをけいこ。

Author:vanilla chair まえをけいこ。
絵本作家、雑貨作家、
高円寺雑貨店vanilla chairバニラチェアー店主。
オリジナルベビー服のデザイン製作、雑誌のスタイリング、店舗プロデュース、ディスプレイ等幅広く手がける。
愛犬モンポウを溺愛、並びに昭和アイドルをこよなく愛する一面も。

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