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まどさん礼賛

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中原淳一展を観て、
胸いっぱいの感動をひっさげ、
松屋を後にした私。


たそがれの銀座、
ふと目をやると、

なんと、大好きなまどみちお展の看板が!


まどさんは、
童謡「ぞうさん」を書いた詩人。


今年100歳になられるそうで、
それをお祝いしての記念展でした。


まだ、時間に余裕もあったので、
引きこまれるように、会場へ。


展覧会のはしごって、
せっかくの印象が、
ブレンドされてしまいそうだと思ってましたが、


中原淳一とまどみちお、

一流の確立された作品に、そんな心配ご無用。

私の心に、
いかなる混じり気ももたらさないのでした。


最終日の人だかりの中原展を、
せわしなく観た後だったので、

夜のまどさん展はゆっくり、じっくり、
何周もまわって味わうことができました。


コップや机を読む、というまどさん。

コップに入っている水を読み物としてとらえる、
詩人のまなざし。


「夕陽にこんなにお世話になっているのに、
まだご恩返しができない」

この言葉になんだか
人間であること、を一旦手放して、
まどさん自身が、
風景のようなものにうんと寄り添って生きているのだなぁ、と思いました。


ひらがなで綴られる、
やさしい温度やリズムがあって、
一番芯に重さがあるような、
まどさんの言葉たち。


「かいだん」
という詩には

くうきがうつくしくすわっている、
とあります。


すごい。

たしかに、
授業中の校舎のひっそりした階段には、
空気、すわっていたなぁ…

私は、有名な童謡集あたりしか存じ上げなかったのですけれど、

今回、会場で初めて読んだ詩がありました。


「メロンとぼく」


まどさんの飼い犬の名前がメロンです。


写真でぼんやり映してみましたが、

みつめあうメロンとまどさんの時間が、
1つになってごうごうと流れる、


―この最初の部分で、
涙がどっと出て、

それから後はただただ涙が溢れてやまず、

静かな会場で一時間程、
私は泣き続けていました。

動物を飼っている人なら、深く、胸に応える詩だと思います。


その親愛の情の宿る、
かけがえのない時間の流れの早さと、厚みと。


私はどんなに静かな月の夜も、
景色にはごうごうという音が、重なります。


二度とない景色を、
一度きりの粒子が作り上げている。

そんなふうに思うのです。

動物の目には、
どんな早さで季節は映るのでしょうか。



メロンから、モンポウから、
どんな出会いにも用意されている約束ごとが、
津波のように押し寄せられてくるのでした。


まどさん展は5月頭まで、開催されています。


貴重な絵画(絵も描かれています)や、
最近の日記帳まで、
間近に観ることができますよ。


最後に、お気に入りを紹介。
春の菜の花を見ると、
こんな詩が浮かんできます。


なのはな
なのはな
ちょうちょぅになぁれ

ちょうちょぅ
ちょうちょぅ
なのはなになぁれ


こんなに短い言葉にも、
春を受け持つ生き物の、やさしいそよぎがあふれてきます。


まどさんの以前のお住まいが、
ご近所だったことがあるようなので、
おんなじ夕陽に出会っていたかもしれないと、
そっと嬉しく思っています。
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1件のコメント

[C1419] いえいえ

耳鳴りなんかじゃなく、

ほんとは、

月夜も、
朝陽も、
陽だまりも、
雨降りも、

時間はごうごう、音を立てて
流れているんだと思います。

この春も、すごい速さと厚みで、
ごうごうと・・・!!!

耳だけでなく、
時間の粒子って、
手や目にも、
じーーーーーーっくり見てると、
ちゃんと訴えてきているような・・・
  • 2010-04-10
  • 投稿者 : まえを。
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vanilla chair まえをけいこ。

Author:vanilla chair まえをけいこ。
絵本作家、雑貨作家、
高円寺雑貨店vanilla chairバニラチェアー店主。
オリジナルベビー服のデザイン製作、雑誌のスタイリング、店舗プロデュース、ディスプレイ等幅広く手がける。
愛犬モンポウを溺愛、並びに昭和アイドルをこよなく愛する一面も。

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